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付喪神様の御座します処【刀剣乱舞】

第7章 story【巴形薙刀】


「この食器は……あっ!!」
それは顕現したての巴形薙刀に、厨の食器を片付ける時のルールを教えている時に起こった。
莉央は巴形薙刀に食器の片付け方を教えつつ、流しにつけてあった自分のお気に入りの茶碗を手に取ろうとした。
しかしその茶碗は彼女が手に取った瞬間、彼女の指先から溢れ落ちてしまい、無情にも地面に叩きつけられてしまったのだ。
お気に入りの茶碗が割れる音が、厨に響く。
「あっちゃー。やっちゃやった……」
莉央が、寂しげにな眼でその残骸を眺めた。
「主、今の音は……」
真っ白い体が、莉央の顔を覗きこんだ。
莉央はその覗きこんだ顔をゆっくりと見上げた。
そこには、莉央を見上げる巴形薙刀の無表情な顔があった。
「あ……うん……。ちよっと……」
莉央は、足元に広がる破片を見下ろしながら彼に応えた。
「割れてしまったな」
巴形薙刀は淡々と言いながら、その破片を一つ手に取った。
「あ、待って。怪我をしちゃうから。今箒持ってくるね」
莉央は慌ただしく厨を後にした。
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