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【イケメン王宮】Shape of heart

第1章  《アラン B.D》君だけ


「アランいたいた!お待たせしました!」

城から帰りリアと別れた数時間後、
庭で愛犬と戯れていると公務を終えたリアが駆け寄ってくる。
長い報告会という名の会議を終えてきたばかりなのに疲れも見せず満面の笑みで。

「全然待ってねーよ、お疲れ。」
「ワンッ」

愛犬と共に労う。こいつもリアのことを気に入っている。

「アーサーもいたのね!きゃっくすぐったい!」

リアを見つけるなり真っ先に駆けよる愛犬はかがんで迎えてくれるリアに飛びつき抱かれる。
その腕の中でリアの頬を舐める。

「で、なんの用事だったの?」

「そうそう、渡したいものがあって。ちょっとだけ待っててね!
アーサーもごめんね、待ってて!」

来たと思ったらすぐにまた小走りに走って去ってしまうリア。

「ったく。あいつはお前より目が離せねーな。」
「クゥン」

アーサーを抱き上げアーサーに向かってため息交じりに呟く。
だけど、心はどこか温かい。

暫くしてリアがパタパタとまた駆けながらやってくる。
手には小さな箱。

「おっお待たせ!」

「お前来たと思ったらまたいなくなってずっと走ってばかりで落ち着かねーな、ジルに怒られるぞ。」

「あ、それならさっき怒られた。。また走らないでって…
でも早く渡したくて。」

息を切らせ気まづそうに肩をすくめながら胸の前にその箱を抱えるリア。

「ん?なにそれ。」

「はいっ!今日のお礼だよ!良かったら食べてね。」

息を整えて両手で差し出された箱を受け取る。
リアをもう一度見てから手元の箱を開ける。

そこにはたくさんのイチゴが並べられ艶やかなイチゴと同じ色のソースがかかったタルトがあった。
少し大きな一人分のようだ。

「これ、買ってきた?そんな時間なかったんじゃねーの?」

少し驚きといつの間に用意されたこのタルトに目を丸くして再度リアを見るとちょっと自慢気な顔をしているリア。

「んー、それは秘密。これだけ渡したかったんだ!
今日の海のことといつもお世話になっているお礼。

アラン、いつもありがとね!」

「あ、いや、うん。ありがとな。」

聞きたかった答えは聞けなかったけど何だか妙に嬉しくなる。
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