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【イケメン王宮】Shape of heart

第3章 《ルイ》 はじめて


ふとその髪を掬った手にリアの手が重なった。

リアを見遣ると頬を赤く染めながらも真剣な顔があった。

「私はいつもやきもち焼いているんだよ。
ルイはいつも本当に素敵で、格好良くてメイドさんとか女の子はルイを見ると皆見惚れちゃってるんだからっ!

今日だってルイはいつもの侯爵服と違ってもっと王子様みたいでずっと私ドキドキしているんだから。」

「っ…」

自分の顔も熱を持った気がした。
君はどうしていつも俺の心をそうやって一瞬で熱くさせて甘く搔き乱すのだろう。
俺を一体どうしたいの?

思わずその甘い言葉紡ぐその唇を塞いだ。

「んっ…」
目を大きく瞬かせるリア。
その愛らしい唇の間に割り入って舌を絡める。

水音が響く。

長いような一瞬の時が過ぎその唇から離れる。
頬をバラのように染め潤んだ瞳がまた煽る。

ホールからダンスが始まるという合図の音楽が聞こえてきた。

休憩もここまでだ。

「最後のワルツでお待ちしています、プリンセス。」

リアの手を取り口づけ恭しく礼をする。

「えぇ、楽しみにしていますわ。」

その礼に応えるように潤んだ瞳を細め艶やかな笑みを浮かべホールにリアは向かっていった。



そう、舞踏会の最後はいつもこの曲。
君とワルツを踊るのはいつだって俺でありたい。

その手を取り目が合えばもうお互いしか見えない。
ぴったりと息が合い、二人の間に流れる空気はこの舞踏会の結果をこの会場に居る全員に色濃く印象付けた。


恋をすることの苦しさも
愛することの幸せも
君が全て教えてくれる

知り尽くしたはずの自分も君といるとはじめて尽くしだ。

ねぇ、次はどんなはじめてをくれるの?
もっともっと愛するから教えてくれないか。

ねぇ、リア。



fin.
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