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『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔

第3章 甘いはずの想像は何故だか胸を締め付ける


徐々に上手く行っている。
楽しげに笑い合う二人
ユカにちょっかいを掛ける黒尾くん
本当に絵になる二人だと思えた
見ている事が辛くなり私は机に顔を伏せた

ーーー…

ユカにバレーの見学を誘われた
なぜかと思えたが
折角の誘いを嫌がる訳にも行かず
笑って「分かった」と頷いた。

ユカの姿はやっぱり眩しくて
バシンッと耳を塞ぎたくなるような
大きな音と共にバレーボールが
体育館の地面を跳ねた。
そんな姿を見つめながら
男子バレー部も違う体育館でやっているのか
そう妙な想像をしてしまった。
休憩時間の監督からの笛を聞き
ユカへタオルとドリンクを渡しに行く

「ユカ、どうしたの?」
「四葉ー…好きっ!」

その瞬間、ユカがパッと明るい笑顔で
告白と共にいきなり私へ抱き着いた。
反動で両手に持つタオルとドリンクを
床へ落としそうになったが、耐えた。
瞬きさせてどうしたのか訪ねると
猫のようにゴロゴロと擦り寄ってくる

「やっぱり私、四葉が見ているとバレーの調子いい見たい」
「き、気の所為じゃない?」
「そんな事ないよ」

そうなのかは分からないけれど
彼女がいうならそうなのだろう
そこまで言うなら時々は見学に来ても
いいのかも知れないなとドリンクを渡して
タオルで頬の汗を拭ってあげた。

ーーー…

「四葉、一緒に帰ろう!」
「あぁ、いいーー…」
「成雲、俺と帰ろうぜ?」
「!…黒尾くん」

動いていた口がピタリと止まった
走って来たであろう彼はユカを見て
私を見る…頼み込む表情に納得。
あぁ…なるほど。分かりました。

「ユカ、もう暗いし黒尾くんと帰ったら?」
「黒尾と…?四葉はどうするの?」
「ごめん、私寄りたい所があったから…一緒には帰れそうにないかも」
「でも、孤爪くんとか?」
「研磨なら先に帰ったし。あぁ…その成雲がいいなら、なんだけど…」

恥ずかしそうに頬をほんのり紅く染めた二人
お似合いだな…でも私は優しくないから
両想いだとは言わない、でも言わなくても
きっと上手く行くのは見て分かった。
二人と別れて先に帰る、寄り道?
そんなのある訳がない、一人で寂しく帰る
仕方がない、だって脇役だもの。

「私もヒロインになりたいなー…」

黒尾くんと一緒に帰る…
有り得ない、そんな想像

『甘いはずの想像は何故だか胸を締め付ける』
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