『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔
第24章 いい奴だなと思った…黒尾鉄朗。
夜久が朝倉さんを連れ去り帰って来た
のは一限目が終わってからであり
夜久や朝倉さんに軽く冗談で
冷やかした言葉に過剰に反応した夜久は
「お前等、いい加減にしろよ…」
と静かに怒ったのを見て聞いた
いつも笑顔でたしなむ夜久が
ああも怒ったのを見るのは俺も
初めてであり、ついビクッとしてしまう
周りも親に叱られた子供のように
静かになり謝罪する言葉を耳にした
ーーー…
授業中、数学の時間で朝倉さんは
ノートにさらさらと
文字をつづっていた
あっ…やっぱり相変わらずの
目つきの悪い黒猫のイラスト
が描いてあって
本当に黒猫が好きなんだな
と見てしまう…
けれど朝倉さんは俺の視線に
気付く事もなく
時間だけが過ぎて行った
ーーー…
数日後…俺は朝倉さんとあれから全く
話しをしなくなった。単純な話しとか
軽く楽しめたいというのにユカは自分の
事ばかりを話しに出して来る
普通なら可愛いとか、もっと知りたい
とか思うのに俺自身が上の空だった
違和感…好きだと思っていた彼女に
しっくりと来ない…妙な気分が俺の心を
もやもやとした想いが侵入し始めていた
朝倉さんは夜久と一緒にいる事が
多く見られるようになった
朝倉さんと話をしていないなと考える
バレー部の後輩達とも仲睦まじく会話する
彼女の表情は穏やかで、その時に
ユカの声で呼び止められた
「ねぇ…鉄朗。話し聞いてる?一体誰を見ているの?」
「あぁ、悪いーー…朝倉さん、もうお昼済んだの?」
「うん、二人は今からだよね?ごゆっくり…」
無意識に名を呼んでしまい狼狽えて
しまうと格好つかないと思って
普段通りに聞いて見た
すると朝倉さんはにっこりと笑って
茶化すような言葉を言い食堂から
出て行く、ユカは照れていて
可愛いとは思う、だけど…なんでこんなに
もやもやさせるんだよ、朝倉さんが
マジで分からなく思えて来た
ーーー…
「と言う訳で研磨、俺さユカの事が好きなのか分からなくなって来たんだよ」
「いや…そんな事言われても、知らないし…と言うか俺、あの人の事…苦手なんだけど…」
「あぁうん…それは知ってる」
「ーー…でもあの人は…いいよね…」
「はっ?」
「朝倉…さん…」
「えっ!?」
「クロ、さっきからなに…」