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『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔

第24章 いい奴だなと思った…黒尾鉄朗。


話し掛けた朝倉さんがにっこりと笑う
しかし気になってしまう、暗い
朝倉さんがとても暗いのだ
大人しい彼女は人前で大笑いする
ようなタイプではないが
しんみりしているというか
いつもより元気がないように見えた
俺がじっと見ていたからか朝倉さん
は苦笑いで俺を見上げて首を傾げる

「なに?私の顔になにかついてる?」
「いや、なんかいつもより暗くね?」

聞いていいのか分からない言葉だが
つい無意識に聞いてしまった、が直ぐに
後悔した。朝倉さんは目を見開いて
泣きそうに笑い気にし過ぎだと呟くから
空気を悪くしてしまう前に俺は笑う

「俺は女の子には優しいんだぜ?」
「うわぁ…チャラ男っぽい」
「そこチャラ男じゃねぇし、紳士と言えよ」

朝倉さんにチャラ男だと軽い
悪口だろう言葉を言われてほっとする
先程まで泣きそうな
顔はなく笑っていたから

知らなかった
俺に見せる笑み全てが偽って
いたという事に
気付いてあげられなかった

「朝倉さんって話したら面白い人だったんだな。前からいい人なのは知ってたけど…」
「はいっ?」
「普通さ、やっぱ引かねぇ?真剣に恋愛相談を聞いて貰って、ましてや協力してくれとか…」
「えっと…黒尾くんは私に引いて欲しかったの?」
「いや、引かれたら僕羞恥で立ち直れませんから」

またノリで言うと朝倉さんは困った顔して
「大丈夫…絶対に言わないよ」
と言ってくれた
本当にいい奴だな
話をしていて面白いし
成雲についてとかいいアドバイスは
沢山くれるし成雲とは
中々上手く行っている
これも全ては朝倉さんのおかげで
ここまでしてくれた朝倉さんの為にも
絶対成功させて見せると気合いをいれた
鈍感過ぎた俺は朝倉さんをまた傷付ける

ーーー…

成雲の話しを言うと朝倉さんは
頷いて聞いてくれた、にっこりと
貼り付けた笑みの朝倉さんに
その時はまだ興味がなくて
彼女の違和感には気付かない

成雲が分からないと弱気な俺は
朝倉さんに伝えればきょとんとした
顔をして微笑むように『素敵』だと言われた
朝倉さんは案外食えない人かも知れない…
その真っ直ぐな言葉についドキリとして
しまうがなんとか上手く表情に出さず
流す事に成功した
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