『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔
第22章 IF…貴方が私を好きでいてくれたから
あれからと言うもの脇役である私は
周りの女子からの質問攻めに陥った
良く分からない想いは熱くなる
ばかりで、否定しようと思い
口を開くも心がズキリと痛んだ
ーーー…
家に帰りブラウニーを作りながら
私は夜久くんの事を考えていた
可笑しい…ここ最近の私はとても
こんなに簡単に想い人を変えて
しまってもいいのだろうか
気付いているんだ…でもそれは
私を好きでいてくれるから…
その夜久くんの想いを付け入る
為なのか、自分でも分からないのだ
ただ私自身が告白する勇気がないから
その行為を逃れたくて
夜久くんが相手だったら上手く行くと
どこか思っているんじゃないかと…
「私はなんて、最低なんだろう…」
この感情は一体誰に向ければいいのか
私の中で分からなくなってきた
ただ…思う事は黒尾くんよりも
『夜久くんに嫌われたくない』
という想いは間違えではなくて
最低な私はこの感情を知っていた
ブラウニーを作る手が止まって
私は顔を覆い隠して子供のように
ボロボロ涙を流し泣いてしまった
あぁ…私はなんて最低なのだろうか。
ーーー…
バレンタイン当日
ブラウニーを詰めて学校へ持って行く
どうしよう…私の心は揺らいでいた
気持ちを整理しようにも
ぐちゃぐちゃになってしまう
こう言う時、いつも助けてくれるのは
夜久くんで…私が困った時に
私の相談に乗ってくれていた
なのに、今は貴方の事で悩んでいる
そんな言葉…相談するなんて出来ないよ
ーーー…
「朝倉さん、どうした?」
「黒尾くん…」
先ずは貴方に想いを伝えたい
『貴方が好きでした』
この想いは…間違いじゃなかったから
そして今度は夜久くんに好きだと言いたい
「今…いいかな」
「…いいけど、朝倉さんが俺に用事って珍しいな」
「うん、ごめんね…」
放課後、貴方を呼び出して
箱に入ったブラウニーを渡す
戸惑う彼に私は目を細めて笑った
「朝倉さん…これ、俺に?」
「うん…それとね。私…黒尾くんの事が好きでした」
私なりのケジメ…後悔すると思ったから
だから私は貴方に言った
「好き…でしたって」
「うん」
「それって、いつから…」
「内緒…それじゃあ、またね?」
「朝倉さん…まっ」
貴方の声を聞き手首を掴まれたが
スルリと滑らせて振り払うように
後ろを振り返らず歩いて行った。