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『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔

第22章 IF…貴方が私を好きでいてくれたから


感謝の気持ちを込めて
夜久くんにあげると決めた
チョコレートの箱を見下ろした
駅前で夜久くんと別れて
私は座席に腰掛けながら
電車に揺られて見る
良く分からない感情に迷い
戸惑いつつも夜久くんを
思い出すたびになぜだか
心の中が温かく思えた
この感情は、一体なに?

ーーー…

次の日いつも通りに学校へ行く
自分自身の感情にもやもや…
しかし考えていても仕方ないと
電車に揺られて、バスへ乗り込んだ

「よう朝倉…おはよう」
「!…夜久くん」
「えっ、なに…その思い詰めた表情は」
「わ、私…そんな顔してた?」
「いや、俺の顔を見たら少し表情が強ばった気がしたから…あぁ、黒尾となんかあったの?」

ない、違うの…悩みは貴方の事
夜久くんが私の事を気にして
くれるたびに、私は違う感情に
戸惑います…これはなに?
私が好きなのは黒尾くんで…
あれ?どうして…私は夜久くん
の事ばかり考えてしまうの
もう…なにがなんだか分からない
誰でもいい、胸を熱くさせる
この感情を、どうか私に教えて下さい。

ーーー…

黒尾くんと話しをする夜久くん
その他大勢の男子の姿を椅子に
座り私は頬杖を付きながら
遠くから観察していた
楽しそうに笑い合いながらも
冗談まじりの会話に夜久くんが
たしなめる…見ていて思ったけれど
夜久くんが一番大人に見えた
童顔で可愛らしい彼は一番大人で
なにより男前…カッコイイなと思った

私がじっと見ていたからか
冷やかすような声を耳にする
『朝倉が夜久の事見てるぞ?』
なんて大勢の前で言われてしまった
恥ずかしさで死にそうな私は否定
する事は出来ずに顔を背けてしまう
また、貴方に迷惑を掛けてしまった

「止めろよ、朝倉が困ってんだろ?」
「いや、でもさー…ずっと見てたんだぜ?」
「おい、いい加減にしろって…」
「なんだよ、夜久マジになんなーーっっ!」
「言わせろ。アイツは俺なんて見ていない…俺がアイツを見てるんだ。これ以上朝倉を困らせるような冷やかし…流石の友達のお前でも容赦ねぇと思えよ?」

身長の高い相手に対しても
夜久くんは全く引く事もなく
少しばかり怒りを込めた言葉で
言い切ったのを耳に届いた
貴方の言葉は真っ直ぐ過ぎて
周りからも分かってしまう
甘く苦い熱烈な公開告白
のようだった

胸が痛い、この感情はなに…?
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