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『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔

第17章 私がこの気持ちに押し潰されそうなことなど貴方は知らないだろう


本当に嬉しそうに笑うから
胸の奥がギュッと掴まれるよう
にじんじんと痛んだ。
やっぱり私は黒尾くんが好き…

「これ、貰っていいのか?」
「あっ、えっと…どうぞ」
「へぇ。マカロンか…」
「ごめん、もしかしてブラウニーの方が良かった?」
「いや、俺以外はマカロンって渡してないんだろ?だったら断然こっちがいいに決まってる…」

そう話をしていれば
いつもの満員電車が来る
行く?行かない?さぁどっち?
そう黒尾くんを見上げて見れば
私の手を優しく掴んで引っ張った
抱き締められるようにドアが閉まる
どう言う状況、どうしてこんな事に

「朝倉さん固まってる…それにしても前から思ってたけど身長小せぇな」
「ひぅっ!く、黒尾くん…あの…離してっ…」
「ごめん。それは無理…腕が全く動かないし、なにより抱き心地良過ぎる朝倉さんが悪い」

一体それはどんな理由だ
そして耳元で囁かれて
頭の中が既に爆発寸前
待って、本当に…心臓が持たない
黒尾くんの制服が目の前にある
こんなに近付いた事なんてない
なにも発しない私を心配になった
黒尾くんは私を見下ろした

「朝倉さん…どうした?」
「…っ、意地悪…しないで…」
「……わ、悪い、つい…」

私の言葉に黒尾くんは戸惑うように
謝罪した、私で遊んでも楽しくはない
ですよ…だからこれ以上は無理です
ごめんなさい…そう何度も内心で
謝り続けた。

ーーー…

バス…初めて気まづくなった日の事を
私はまだ覚えている。空いている席に
どうぞと黒尾くんは言い座らせて貰って
バスから降りた私に一緒に行こうと誘って
くれて。けれどその理由は『ユカの友達』
だったから…それが心苦しくて切なくて

「朝倉さん、座らねぇの?」
「えっ…あ、ありがとーー…う!?」
「ん?」
「いや、黒尾くんも座るの?隣り…」
「えっ、座ったら駄目な感じ?他に席は空いてないし、座らせて欲しいんだけど…」

今日はなんなの?
黒尾くんってこんなにも強引な人
だったとは、優しいだけじゃないのかと
戸惑う私に腰掛ける彼を見る
パチリと視線があい目を細められた

「俺ね、朝倉さんに言わないと行けない事があるんだけど、今日は偶然じゃないんだわ…」

それは自惚れていいですか

『私がこの気持ちに押し潰されそうなことなど貴方は知らないだろう』
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