『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔
第18章 貴方のことだよ、気づいてしまえ
黒尾くんに振り回されて
私の心臓はもたない
今だって黒尾くんは私の髪を弄ぶ
こう言うの得意なんだと言われ
私の髪の毛を撫でて結んだりする
私達、付き合っていないよね
そうだよね、じゃあこれはなに?
「朝倉さんの髪の毛ってさらさらしてて気持ちいいな」
「そ、そう…かな?」
「本音はずっと触りたいと思ってました、風になびく時とか凄く綺麗で弄りてぇなって…」
まだ人がいなくて良かった
朝早く学校に来て本当に良かった
こんな姿、誰にも見せられないから
髪の毛をまとめ上げられて結ばれる
ギブソンタックというモノだった
編み込みとか綺麗に崩れておらず
本当に得意なんだなと髪の毛に触れた
「…やっぱいいわ、すげぇ似合う」
「はぃっ?」
内緒…なんて笑って伝える黒尾くんは
心臓に悪いと思いながら深呼吸した
ーーー…
周りから良く似合うと言われ
珍しいとも言われた
確かに私自身がこんなに凝った髪型を
した事がなかったからだ
誰にして貰ったのか問われるも
苦笑いで上手く流しておいた
ーーー…
「四葉…」
「ユカ…」
「…それ。てつ…いや、黒尾がやったの?」
「どうしてそう思うの?」
「いや…なんとなく。四葉、私ね貴女に完敗したわ…」
「なにが言いたいの…」
「?貴女なにも知らないの?バレンタインデー当日の事…」
「!」
思い出す、思い出したくないのに
結局、あれからどうなったのだろう
聞くに聞けなかった、怖くて…
「そう、知らないならヒントを教えてあげる…話によればブラウニーは夜久から貰ったっていう話になってるけど、あれ違うわよ?」
「えっ…」
「まぁ本人に直接聞けば分かるんじゃない?」
「どうして…」
「私は全て見てたからかな、今でも黒尾の事は好き…でも私じゃ無理なんだよ。浮気したのも認める…ただの出来心だね?」
「なら、ユカ私も言わせて欲しい…黒尾くんは本気で貴女の事が好きだった。私はただ貴女と黒尾くんの恋愛相談に乗っていただけだったんだよ…」
私がいうとユカは表情を歪めて
笑った。あぁ…その顔を見て分かる
聞いたんだ、黒尾くんから全て
だから貴女の表情は諦めている
そう見えた。感情が読み取れた
「傷付けてごめん…」
「ユカ…」
「だから後一ヶ月もないんだよ、自分の気持ち絶対伝えないと後悔するから…分かった」
「ありがとう…」