『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔
第11章 こんな想いは消してしまいたい
考えておいて欲しい
断られても俺は諦めないから
必ず好きにさせて見せる
そう夜久くんに熱烈な告白を受けた
一瞬でも黒尾くんが消えてくれたら
良かったのに、夜久くんの話しを
耳にしてもやはり私の想いは変わらなくて
夜久くんを傷付けてしまいそうで怖い
気持ちの整理が上手く行かなくて
ただ時間だけが過ぎて行った
ーーー…
放課後、帰ろうとした時呼び止められる
夜久くんは意外と強引な人で
告白してからその強引さが増したように
思えた。人手不足だからという理由らしい
なので私は男子バレー部の臨時マネージャー
を引き受ける形になってしまう。
一応突き指はまだ完治していないし
重い荷物運びはしなくてもいいと言う話だ
点数を付けてめくり、ドリンクやタオルを
渡して行く。そんな仕事を請け負う
「リベロってカッコイイね…」
「朝倉、お前はもっと素直になれよ…そっちの方が可愛げがあるしな」
「つまり、夜久くんカッコイイって言えばいいの?」
「そんな棒読みの褒め言葉はいらない」
夜久くんが笑えば私は嬉しい
でも、これは恋とは違う
私が夜久くんと話をしていたら
なぜか貴方は割って入って来た
「朝倉さん、ミドルブロッカーもカッコイイでしょ?」
「黒尾、くん…」
貴方を見るとどぎまぎしてしまう
ユカの言葉を思い出す、これ以上は駄目
傷付けたくはない、誰も…
視線をそらしながらドリンクを渡す
屈んで、私を見下ろす黒尾くん
「俺さ、なにか悪い事した…?」
「えっ…」
「いや、そんなにあからさまに避けられると…なんかキツいなって。だって朝倉さんは俺の友達だし、やっぱり嫌われたくないから…」
「!」
嬉しいのか、悲しいのか
分からない感情が渦巻いて行く
黒尾くんのせいじゃない
なにも悪くはない、悪いのは私
こんな感情をもってしまった私が悪いのだ
「ご、ごめん…黒尾くんが悪い訳じゃないよ」
「じゃあなんでーー…夜久。退いてくんない?朝倉さんと話が出来ねぇから」
「黒尾こそ、彼女がいんのにその入れ込みようなんとかならないの?嫌がってるの分かれよ…」
「いや、今その話って関係ないよな」
「関係あるから言ってんだ!いい加減にしろよ!」
なにこれ、なにこれ
なんで怒ってるの
私はどうすればいいの
止めて欲しいと止める前に
海くんが止めに入ってくれた