『ハイキュー!!』近くで想う…黒尾鉄朗or夜久衛輔
第9章 神様がいるなら、どうか今だけ
黒尾くんと仲直りして数日後
一ヶ月経った記念日に彼はユカに
プレゼントを贈っていた。
新しい化粧水と可愛らしいシュシュ
ふわふわとした髪の毛には似合う色
似合うかな?そうはにかみ笑う
ユカの姿は誰よりもやはり可愛く見えた。
ーーー…
体育の時間はバスケットであった
音駒高校は部活動に力を入れている為
体育は2つ、3つと沢山ある
男子は第一体育館
女子は第二体育館を使い
バスケをする、試合形式で
余り運動の得意じゃなかった私は
良くもなく、悪くもなく
ここも平凡であった。
仲間からのパスが私に向かって来て
思い切り指先に当たって突き指をした
てんてんてん…と床に転がるボール
私はとっさに追い掛けた
突き指くらい大丈夫だ
そう思いながら痛む指先を震わせて
心配される友人に苦笑いして見せた。
これ、ヒロインならどうしていただろう…
なんてシュートしたボールを私は
リバウンドする訳もなく
ただ傍観者のように、ボールを見ていた
ーーー…
お昼頃、じくじくと鈍い痛みが収まらない
指先は握る事を出来るから
折れてはいないようだ
「朝倉さん、どうした?」
隣りに座っていた黒尾くんが
私の異変に気付いてくれた
嬉しいと思いつつも
可愛くない私が顔を見せる
「大丈夫、なんともないよ」
「本当に?指先とか庇ってない?」
「どうしてそう思うの?」
「だって朝倉さん…今日余りノート書いてないなって思って?シンプルだけど、マーカーで色塗ってあって読みやすいのに。今日というか…体育が終わってから、シャーペン握りにくそうだし…書きにくそうにしてたから?」
なんでそこまで、探偵か
目聡い、嬉しくない
だったら私の好きな人
当ててよ、そんな所は鈍感だなんて
ずるい…でもやっぱり気付いてくれて
嬉しいだなんて、思えてしまう。
「黒尾くん、凄いね…今から保健室行こうと思ってたんだ」
「やっぱりどこか悪いのか」
「ううん、ただの突き指…私帰宅部だから突き指とか慣れてなくて」
「一緒に行こうか?」
「良い、良い!全然大したことじゃないし!ありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ」
流石に悪い。友達にそこまで
して貰うと言うのは違うと思えた
立ち上がり保健室へ向かう
先ずは先生に見て貰って
アイシング、テーピング
ここでもし断らなかったら
どうなっていたのだろうか。