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君と私と(非)日常

第20章 こんにちは、フィクション。


いや、まずは敷地を把握しよう。
ポピュラーな場所って言っても、企画は毎回変わるから施設の内容や位置、構造も全て違うのだ。
私はまず、中庭を歩いてまわることにした。



別れている道の1つを辿って校舎の裏に回る。
低い建物があったので入ってみた。
特に興味を引くものがない。ボイラー室のような場所だろうか……?。
ここも雑草が生い茂っていて、建物内にはマンホールやパイプなんかが見える。
汚いな……壁もこんなに埃とかよく分からない汚れとか付いてる。

『ん……?。何これ。』

ろは……から掠れて読めないけど、確かに文字らしきものが書いてある。
何か重要なものかもしれない。
配信作品としてのダンガンロンパはあんまり詳しく観てきてないけど、こういうのは後々大きなヒントになったりするんだ。
でもこれ以上は何が書いてあるのか分かりそうにないな。
一応ここに何か書いてあるってことはちゃんと覚えておこう。
壁も気になるけど、あそこのマンホールも気になる。
どこかに繋がっているかもしれない。
ダンガンロンパだから外に軽々出れるなんてことはなさそうだけど、きっと意味のあるものだろう。
マンホールのフチを掴んで持ち上げようとした。

『……っふ……んぐぐぐぐ………!。』

ダメだ、重すぎる。
痛くなった手をプラプラ振りながら早々に諦めた。

「マンホールを持ち上げたいの……?」

そんな声が近くで聞こえ、すぐに目の前のマンホールがスッと持ち上げられる。

『……えっ、誰?。』

振り返ってみると、なかなか大きな体の人物が立っていた。
あ、この人は体育館で私が盾にした人かな。ライトに当たらなかったのはこの人のおかげだ。

「驚かせてごめんね。ゴン太はね、獄原ゴン太って言うんだ。超高校級の昆虫博士だよ!」
『………え?。』

なんだか聞き覚えのない名前だった。
さっきの体育館で自己紹介しあった時はそんな名前じゃなかったのに。しかも喋り方とか表情の雰囲気が全然違う。
……もしかして、これもダンガンロンパの仕業?。
だとしたら……そうか。今まで私が現実世界でエンターテインメントとして観ていた参加者たちは、全員名前や人格が変えられて登場させられていたわけだな?。
どうりでこれまで格好いい名前とか妙に濃い人が多いと思ったら、そういうことか。
だったら私もある程度合わせなきゃいけないな。
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