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君と私と(非)日常

第20章 こんにちは、フィクション。


あれ……?。何でこんな雑な所に置かれてるんだろう?。

『ロッカーじゃないの……?。』
「あ? オイオイ、オメーもう正気に戻っちまったのかよ。モノタローの早漏並みの早さじゃねーか! ロッカーは数が足りねーし、時間差で入れようにもオメーみてーにすぐ起きちまう奴もいるからな! だからこうしてミーが所々に放置してやってんだよ!」
『そ、そうなんだ……。』

キッスみたいなメイクをしていた青いクマ型ロボットが乗っているらしき兵器がノシノシと歩き去っていく。
放置された私は周辺の景色を眺めた。
雑草と、校舎のような大きな建物と、あと……物凄く高い天井と壁。
吊り鐘型の鳥かごのような形の天井が青空を遮っている。
校舎らしき建物には「才」と校章のようなものが付いていた。
それを見て心当たりを思い出す。
色んなステージが用意されているあの番組の中で、もっともポピュラーな場所のはずだ。

『……才囚、学園………?。』

「モノクマ」ーズ。「コロシアイ」。「才囚学園」。
ってことは、ここは。
この世界は…………ダンガンロンパ?。
嘘でしょ?。あんな面接で受かったの?。
あんな嘗めきったような態度で、二次創作を話のネタに出し、ダンガンロンパに反する行動を宣言した私が……?。
ダンガンロンパは、私に何をさせるために参加させたの…………?。

『ど、どうしよう……死亡フラグ折るなんて、シナリオも分からないのに出来ないよ……!。』

しゃがみこんで頭を抱えた。
本当にどうしようもない。あの夢小説の真似するって言ったって、あの主人公は全てのトリックを裁判で知った上で別のデータとして生き返って止める特殊なやり方だ。
私にはそんな非現実的な能力はないし、プログラムだとしても未来機関じゃないから何の特権も付けてもらえない。
全然フェアじゃない……ただの無謀な賭けになる。
もしかして、ダンガンロンパは私に「死亡フラグ回避なんて絶対に無理だ」って思い知らせるために選んだの?。
絶望しながら死なせる為に、わざわざ……?。
目眩を起こしながらも立ち上がる。
……とにかく、まずは探索しなきゃ。
だって、どんなに足掻いたってここはダンガンロンパなんだから。
大人しく縮まってたって、何も解決なんて出来ないんだ。
草むらから出て、中庭を歩く。
何人かのさっきの生徒達の姿が見える。
どうしよう。話しかけようか……?。
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