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君と私と(非)日常

第20章 こんにちは、フィクション。


――○○○○です!
――ダンガンロンパシリーズは1と2と絶女しかやったことないんですけど……前に素人の小説サイトで、スーダン2が舞台になった死亡フラグを折る物語を読んだんですよ
――ほら、死ぬはずだったキャラを死なせないために体を張って助けたりする感じの話です
――ハッピーエンド?
――……まぁそうですね
――今回私が応募した理由はそれですね
――毎回死んでばっかりはつまらないでしょ?
――あの夢小説みたいに死亡フラグ回避をして、誰も死なせずにクリアするんです
――そういうのもたまには良くないですか?






「ヘルイェー! 覚悟しろよッ! この封印が解けたら"コロシアイの世界"だぜッ!」

くだらない日常を惰性のように繰り返していた。
普通の高校生。普通の17歳。普通の人間。
精神が腐り落ちそうなくらい平和で特に不満も味気もない、ただ学校に行って帰って寝て起きるだけの永遠に続きそうな毎日。
それがどれだけ大切で儚いものだったのかは、突然の非日常に襲われてから気付くものなのだ。
拉致され、ロッカーに閉じ込められ、迫り来る殺人兵器から必死に逃げて体育館に飛び込んで、やっとそれを自覚した。
17人の高校生と5体のロボットが体育館に集まった。
見覚えがあるな、と思いながら小さなクマ型ロボット達を見る。

「さぁ、"思い出しライト"で、"わんだふるな才能"を思い出して貰ったら……今度こそ"わんだふるな物語"の始まりだよー!」

赤いクマ型ロボットが何かを構えたのを見て、咄嗟に背の高い男の子の陰に隠れてギュッと目を瞑った。
数秒後に目を開けて周りを見ると、みんなは一様に呆けた顔をしていて何だか不気味な風景だった。

『………?。』

何だろう……。みんな、あの赤いクマ型ロボットが構えた物で……ライトだったか……そんなものの影響でこんなことになってしまったんだろうか?。

「うふふ、成功よ!」
「せやな。コイツら全員ショックでポーッてなっとるで」
「へへ……あとはコイツらをまたロッカーに詰め込むだけだぜ! ついでにモノダムも詰めてやるか!」
「…………」
「とりあえず、正気に戻らない内に運ぼうかー」

ガヤガヤ喋りながら先程の兵器に乗り込み、次々と生徒達を掴んで運び始めた。
私は逃げる余裕もなく捕まり、そのまま外の草むらに移動させられた。
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