第14章 ケモロンパ
「本当にごめんねぇ、どうしても三日間家を開けなきゃいけないんだぁ」
『いいよいいよ、気にしないで。私、猫も大好きだし千尋ちゃん家の猫ちゃん可愛いから寧ろお世話するのが楽しみだよ。』
「三日分の餌とかもこの中に入れといたよ。大人しい性格の子だからイタズラはしないと思うんだけど……もしものことがあったらごめんねぇ」
『大丈夫だよ、うちのイズルくんも生き物に向かって吠えたり噛んだりしないから猫ちゃんに危害を加えるようなことはしないと思うよ。』
「うん、ありがとう……じゃあ希灯さん、よろしくねぇ」
『うん、任せて千尋ちゃん。』
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『チアキちゃーん、ケージから出ておいで。』
「……(何をしているんですか? ……あぁ、知り合いからの預かりものですね)」
『あれ、出てこない……?。あ、そっか。寝てるんだ。』
「……(ネコですか、別段興味を惹くものではありませんね)」
『ほら見て、イズルくん。チアキちゃんって言うんだよ。可愛いでしょ。』
「……(可愛いかどうかはともかく、名前は一応覚えておきましょう)」
『あ、起きちゃったかな?。』
「…………?」
「……(誉稀がうるさいからですよ)」
『おはよう、チアキちゃん。久し振りだね。』
「(……久し振り、誉稀ちゃん)」
『とりあえずケージから出よっか。』
「(……まだ眠い)」
「……(無理矢理引きずり出してまぁ)」
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「にゃ……」
『ん?。なぁに?。チアキちゃん、ゲームに興味があるの?。』
「(私もやりたい)」
『あぁぁ、勝手に押しちゃダメだよ……ってあれ?。意外にちゃんと出来てる?。』
「(……肉球じゃ押しにくいけど、楽しい)」
『落ちゲーなのに全然変な積もり方してない……。上手だね。』
「(……そう?)」
『しばらくチアキちゃんがやってていいよ。何だか見てる方が面白いし。』
「(ありがとう)」
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『イズルくん、チアキちゃん、ご飯の時間だよー。』
「……(眠っていたのであまり空腹は感じていませんが、夏場ですし残さない方が良さそうですね)」
『チアキちゃん、ゲームは一旦止めてご飯にしよう。私が一時停止にしといておくから。』
「(もうそんな時間?)」