第14章 ケモロンパ
『イズルくん、ただいまー。』
「……(今日は昨日よりも15分遅い帰宅ですね、寄り道ですか)」
『あ、イズルくんにお土産があるよ。ゴムボールと燻製肉ね。』
「……(またそんなツマラナイものを持って帰ってきて……)」
『燻製肉も犬用だからイズルくんの口に合うと思うな。』
「……(どうせ鶏のササミに決まっています。それより、僕はあなたがたまに食べている草餅とやらを口にしてみたい)」
『ほーら、ゴムボールだよ~。』
「……(はいはい。噛めばいいんでしょう、噛めば)」
『あはは、喜んでくれて良かった。』
「……(別に喜んでなどいませんが、このゴム臭さはなんとかなりませんかね……)」