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君と私と(非)日常

第12章 君と私と愛の鍵①


「…………」
『…………。』
どうやら招かれた相手は王馬くんらしい。
モノクマのくれた説明書には夢だとか妄想だとか書いてあった。
「……ははっ、君ったらオレを騙してどういうつもりなのかな?」
『えっ……?。』
突然会話を始めた王馬くんに驚く。
「惚けたって無駄だよ。ベッドの上に誘って、そんでオレが油断した隙を突いて殺す気だったんでしょ?」
『そ……そんなことする気ないよ……?。』
「嘘吐いても無駄だって。オレも嘘吐きだから、他人の嘘はすぐ分かる」
王馬くんはベッドの上に落ちている小瓶を拾い上げ、中に入っていた錠剤を1錠口に含む。
「希灯ちゃん、ちょっと」
状況が読めないので、とりあえず手招きされるがままに近付いた。
『………きゃあっ!?。』
王馬くんが私の肩を掴み、ベッドの上に押し倒した。
そんなことをされるとは露程も思ってなかった私は、普段は出さないような悲鳴を上げてしまう。
覆い被さる体勢で王馬くんが見下ろしてきた。
強制的に目が合う。
両手で頭を掴まれ、そのまま顔が近付けられる。
『……うっ、んー!。んぅー!。』
かなり強引なキスをされた。
舌が唇を無理矢理こじ開ける。続いて口の中に異物が入ってくるのを感じた。
さっきの錠剤だ。口移しで錠剤を飲ませられそうになっている。
飲み込むまいと必死に抵抗したけど王馬くんのと私の唾液で口の中がいっぱいになり、案外するんと喉の奥へ錠剤は流れていってしまった。
『………ぷはっ。い、一体何を…………。』
「……どう、気分は? 今の薬で世界を裏から牛耳る秘密結社のボスの首を獲るつもりだっんでしょ?」
こんな錠剤の入った小瓶に思い当たる節はない。
色々と理不尽な展開が起こっていると自覚し始めてから、やっと説明書の内容を理解した。
きっと王馬くんは私のことを暗殺者か何かと思って接しているみたいだ。
「残念だね、まさか計画がバレて自分が飲まされちゃうだなんて予想外だったろー」
『う……王馬、くん………?。』
何だろう。少し頭がぼんやりしてきた。
体も上手く動かない。
「あ、やっぱこの薬って即死する系じゃなくて相手の動きを封じるためのものだったんだね。たった1錠でこんなになるなんて面白ーい」
愉快そうに王馬くんは小瓶を自身のポケットにしまいこんだ。
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