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君と私と(非)日常

第29章 ややこしい2人


それからまた数日後、レストランのおやつタイムに集まった者同士の間で希灯とカムクラについての話題が上げられた。
「最近さ……希灯さんとカムクラクン一緒にいないみたいだけど、どうしたんだろうね」
苗木が心配そうに小泉や赤松に聞く。
「あぁ、それ私も気になってたんだ。でも喧嘩したって感じでもないし……」
「何かあったんだろうけど……タイミング的にはやっぱりアタシたちのせいなのかな……?」
けしかけたことがきっかけになってしまったのではと小泉がすまなそうな表情で言う。
かれこれ1週間ほど連続で、1人きりで過ごすカムクラと一心不乱にモノケモノと戦う希灯の姿が目撃されている。
希灯もカムクラも、話しかければいつも通りの態度で応えるが希灯に限ってはくたびれたような顔をしていた。
カムクラはともかく希灯の様子はおかしい。前までバトルを極力避けていたのに、毎日何度も武器を振り回している。夢中だったはずのカムクラについて聞いても曖昧な返事しかしなくなってしまった。
「希灯さんは……カムクラくんのことで何か悩んでるのかもね。私たちじゃ解決できないこと……かも」
「確かにそうですね。2人の問題であれば、希灯さんとカムクラクンで話し合うしかなさそうです」
七海の言葉にキーボが頷く。キーボはおやつを食べることはできないが、皆と交流したくて一緒にいるようだ。
「あ……それなら、2人が話し合えるタイミングを私たちで作ったりとかだったら、できるかな……?」
キーボの同意で思い付いた、と七海がそんな提案する。
「そもそも希灯はカムクラと対話したがっているのか? 避けているのは希灯の方なんだろう?」
「あんた……わかってないわね。希灯とカムクラの関係なんか知ったこっちゃないけど……ああいうタイプは自分で話し掛けるタイミング見失ってまごまごしてるってだけのはずよ」
詐欺師の方の十神の疑問を、数々の恋愛小説の執筆で大成してきた腐川が一蹴する。
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