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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


カムクラも希灯を抱きしめ返す。
その体勢のまま腰を動かし、希灯の膣内を掻い撫でるのを再開する。腕のなかで呻くように上がる矯声がまた少しずつ艶を帯び始めた。
触れあう素肌や粘膜の温かさが心地好い。希灯の乱れた呼吸音とぬらついた摩擦音がする度に鼓膜をくすぐられているような刺激を感じる。
希灯はカムクラの首筋に顔を埋め、喘ぐのを抑えながら必死にしがみついていた。頭髪と汗の匂いが自身のとはまるで違う。どこか甘い香がしている気がするのを意識した瞬間、カムクラは経験したことのない感覚に襲われた。
強めの眩暈のような、脳全体が揺らぐような陶酔感が頭に重く響く。
体の奥底から沸き上がる衝動を自覚しながら希灯に呼びかけた。
「誉稀……少し、激しくしますよ」
『んっ……い、いいよっ。大丈夫、だから……ッ。』
カムクラの言葉に希灯は喘ぐのを堪えながら応えた。そこから徐々にピストンが力強くなっていく。
『…ぁン……ッふ……は、んぅ……。』
奥に届くたびに押し出されたように声が漏れる。奥まで入ると苦しいけど、膣壁を削るように引いていく刺激が気持ちいい。
希灯は息を荒くしながら出入りする陰茎の感触を楽しんでいた。
抱き締められていて見えないカムクラの表情を想像する。カムクラの息遣いも少し荒くなっているため、いつもの澄まし顔ではないかもしれない。
聞こえてくる呼吸すら愛おしく感じ、希灯は一層強くカムクラを抱き締める。
『はぁ、はぁ……っイズル、くん………。ッ……?!。』
ふいに一番奥まで深く突かれ、そのままカムクラの腰の動きが止まった。
希灯は苦しさに耐えながら射精の最中だと勘づく。腟内で陰茎が脈打っているのを僅かに感じ取れた。
『うッ……ぅ、んん……っ。』
精子を擦り付けるように亀頭が子宮口を圧す。圧迫の刺激は苦痛そのものだけれど、カムクラが自身を本気で孕ませようとしている行為に希灯は未知の快感を覚えた。
身体の奥に温かい液体が流れ込んでくる。体全体を覆うように抱き込まれて決して離れられない。絶対に、確実に、腹に子種を植えつけるために。
謎の高揚感がじわじわと全身に染み渡るように昇り詰めてくる。
カムクラが動きだすまでの少しの間、希灯はじっとその感覚に集中していた。
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