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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


その様子を見るやカムクラは一瞬のうちに希灯の口に宛がわれた両手を引き剥がす。
『ん、ぁあっ………い、イズルく……やだ、声がっ………んぐっ……うぅ。』
すかさず希灯の口に親指を差し入らせて閉じないようにした。上下の歯が指に当たるが、傷付けまいと噛むのをどうにか堪えているようだった。
「誉稀」
『ぅ、ふは………いじゅゆ、……っぐ……。』
片手は親指以外を頬や下顎に添えている。包み込めてしまえるくらいの小振りな輪郭が息を吐くたびに苦しそうに震えた。
『ひ……あ、あッ……ぅやっ……。』
腰の動きに合わせて希灯の嬌声が漏れだす。
両手でカムクラの腕を掴み、必死に口から外そうともがきながら無様に喘ぐ姿は格別に扇情的だった。
『……やっ……はぅ、う……イっ、いじゅ……やぇて………や、あぁ……っ!。』
目に涙を溜め、眉をひそめながら抵抗を続ける希灯をカムクラが見つめる。
柔らかくて短い舌が指を追い出そうと蠢くのも、口内いっぱいに溢れた生暖かい唾液が皮溝に染みこむのも、揺さぶる度に聴こえてくる掠れた悲鳴も、何故だか妙に心地いい。
ゆっくりと浅いストロークを繰り返しつつカムクラは必死の形相で喘ぐ希灯に言葉をかける。
「恥ずかしがる必要なんてありません。あなたがどうなろうと、それはとても些細なことなんです。そんなツマラナイことを気にするより、もっと僕に集中してください」
そう伝えると、希灯は苦しそうにカムクラを軽く睨んだ。
「人の気も知らないで……と思っていますね? ええ、あなたの気持ちなど関係ありません。僕が見たいだけです」
希灯の口から指を抜き、今度は希灯の両手首を掴んで動かせないようにした。
「隠さないでください。抑えないでください。その方がきっと、早く終わるはずです」
射精に至りやすいってことか……と意図を理解する希灯だが、納得した訳ではない。
『イズルくんっ……手ぇ、離して!。』
喘ぐのを堪えながらカムクラに強気な口調で言う。
希灯の要求を無視しようとしたがカムクラは何かを察し両手を離した。
次の瞬間、カムクラの首めがけて希灯が手を伸ばす。
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