• テキストサイズ

君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


ギチギチという効果音でも付きそうなほど狭い孔が進入する指を拒む。
もう少し。あとちょっと。
希灯は指を回すように動かし、僅かでも拡がらないかと変化を試みる。
すると何やら効果があったようで、そこから第2関節までスッと入ってしまった。
何故だか呆気なさと感動に近い喜びが込み上げ、不思議なある種の達成感のようなものを感じる。
けれどすぐに浸っている場合ではないと我に返り、人差し指の根本まで行けるように更に進めた。
実のところまだ何1つ達成出来ていないのだから、こんなことで止まっている訳にはいかない。
背中一面に感じるカムクラの体温に励まされながら拡張を再開する。
だけどもそう簡単にはいかないようで、第3関節までのぷっくりした肉が忌々しいくらいに邪魔をしていた。
『あと少しなのに……。』
「何かありましたか」
『ちょっと手伝ってほしいかな……、私の手を動かしてくれたらそれで解決しそう。』
痛みに怯んで自分ではなかなか大胆に突き入れられないから、添えた指をカムクラに押さえ付けさせれば一気に奥まで入るはず。
ただ力強すぎたり手元が狂ったりしたら処女膜の広範囲を持っていきかねないというリスクはある。
「どうせなら中指に変えましょう。人差し指よりリーチがあるので薬が塗りやすくなります」
カムクラの提案で人差し指を一旦抜き、中指に差し替えた。
中指の真ん中まで入ったところで、自身の手の上にカムクラの手を重ねさせる。
『手加減してね?。』
「ある程度の配慮はします」
『イズルくんがそう言うなら。』
安心しながらカムクラに任せる。
「いきますよ」
『うん、お願い。』
そう返事した後、ギュッと目を瞑って衝撃を待った。
どんなに信頼していても、痛いものは痛い。
自分のタイミングではないことに多少の恐怖を感じている。
瞼を閉じて1秒もしない内に、下から突き上げられる感覚と痛みが伝わった。
痛みで出そうになる声を堪える。
「良さそうですね」
カムクラが手を離した後、希灯は自分で中指を確かめる。
孔は必要最低限に破れ、中指をギリギリ根本まで収めていた。
『わぁ、出来てる……ありがとうイズルくん。』
感心しながら希灯は安堵した。
これで次のステップに進められそうだ。
/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp