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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


微かに痛みは感じたが、第二関節辺りまで確かに入ったようだ。多少無理をすれば裂かずに根本までいけるだろう。
カムクラからの攻めに震えながら拡張を試みる。
『……っ……!。』
鋭い痛みが走り、希灯は背筋をビクつかせた。
「大丈夫ですか?」
『う、うん。大丈夫……。』
かけられた言葉に咄嗟に返事をする。今更無理だなんて言いたくはなかった。
労るかのように身体を優しく撫でるカムクラの手の温もりを感じながら、一旦自身を落ち着かせる。
「進捗はどうですか」
『うーん、順調……?。』
「まずまずと云ったところですか。拘ってないでさっさと破いた方が効率的ですよ」
カムクラが秘部に宛てがわれた希灯の手にそっと自身の掌を重ねる。
『……私にとっては効率云々の話じゃないの。』
納得いかない様子で希灯はカムクラの手を軽く払った。
『もう少しで出来そうな気がするから、まだ待って。』
小指の抜けた孔に今度は人差し指の先を潜らせる。緩んだのか亀裂が入ったのか定かではないが、多少キツいものの最初の全然入らないと云った感覚はなくなっていた。
あと少しの我慢だと希灯が慣らすように指先を孔に出し入れさせる。
相変わらず痛みは続いたが拡張出来ている確かな手応えがあった為、期待を持って耐えることにした。
カムクラからの絶妙な刺激を助けに、少しずつでも拡げていく。
膜のその奥の粘膜から出てくる分泌液が出し入れする指と擦れて微かな水音を立てた。
一旦カムクラの陰茎で処女膜を突き破ってもらってから薬を塗った方が楽なのではと思いもしたが、この際だ。最後まで自分の指を使って済ませよう。
希灯は意地になり拡張を続け痛みに耐える。
少しずつ広がっている実感はあった。
もう少しだ。希灯は体液にまみれた指で慎重かつ必死に押し進めた。
『……っ、はぁ……はぁ……。』
目尻にうっすらと涙が溜まり、重力の方向へ垂れていく。
肌に伝う涙はいつもより粘ついている印象だ。どういう感情で流れたのか自分でもよく分からない。
悲しくはない。嬉しさとも違う。痛みが原因な気もするけれど、この程度じゃいつもの自分なら涙は出ないはず。
指にまとわりつく愛液と今の涙は似ている。
まるで目から愛液が出ているように思えて、この状況を少し滑稽に感じた。
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