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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


仕方なしに指はまた陰核の方へ移動した。
ふと希灯の耳に柔らかな感触と生暖かい気息がかかる。
『…ひゃっ……、……?。』
ピチャ、と水気のある音が耳元で鳴る。
『ん……っ。』
「……手で触れた時はほぼ無反応だったんですが、舌の場合は違うんですね。少し興味深い」
そんな声の後、耳介部を舌が舐ぶる。胸と耳を同時に刺激され、希灯は思わず背筋を反らした。
『っは……あ…うぁあ……。』
「何処がどうして気持ち良いんでしょうね? 鼓膜の近くで立てる音でしょうか、耳朶を擽る息でしょうか」
『……や、ちょっと……あっ……耳、やめ……っ。』
何に反応しているのかを探るため、カムクラは耳を入念に攻める。
「もしかして胸より耳の方が好かったりするんですか?」
『わっ…分かん、ない……それより、一旦離してぇ……!。』
「耳なら負担はそれ程ない筈です。気になるのでもう少し続けます」
カムクラに小振りな耳朶を甘噛みされる。歯と舌先で食まれる感触は独特のスリルがあり、興奮にも似た昂りを覚えた。
希灯は肩を強張らせて瞼をきつく瞑る。
耳元で湿り気のあるリップ音が響く度に背中をゾクゾクとした感覚が伝う。
自分がこんなに耳が弱いだなんて知らなかった、と希灯は経験のない刺激に身悶え戸惑いながらも感得した。
ペチャ……チュッ……と舐ぶられる都度もどかしい気持ちになり自然と腰をくねらせる。
もうやめてほしい。もっとしてほしい。
相反する意思が頭の中で度々激しくぶつかり合う。砕けたゼリーのように散らかる思考をまとめる事すらままならず、濡れた声で受容とも拒否とも付かないか細い悲鳴を上げ続けた。
気持ち良いのか気持ち悪いのか、もはや分からない。
ただ側に居るのが愛しい人間だと云う事だけがこの寝台で大人しく横たわっている唯一の理由だ。
身体を弄られ処女を奪われ子を孕まされようと、その全ては自分が承諾したこと。耳で遊ばれるのだって覚悟の上である筈だ。
留めどなく聴こえる水音と生暖かくて柔らかい感触に耐えながら希灯は指先で孔を探る。
少しだけ緩んでいるような気がした。試しに小指の先を入れてみる。
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