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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


『服着たままじゃしづらいよね……脱いじゃおうよ。』
希灯がネクタイを掴み、結び目を解こうとする。
「あぁ……少し朦朧としてますね? 指の動きがすっかりぎこちなくなっているじゃないですか。自分で出来ますから、ちょっと休んでいてください」
不器用な手指をカムクラが優しく握り、ネクタイから離す。
ジャケットを脱ぎ捨て、ループからベルトを引き抜く。慣れた手付きでネクタイを解き、無駄の無い流れるようなテンポで脱いでいく。シャツもスラックスも下着も靴下もあっという間に床に落ちた。
『…………。』
みるみる内に露になっていくカムクラの肌を見つめる。日焼けのない少し不健康にも感じる青白い皮膚だ。
元々筋肉質なのか、立派な胸板がとても男らしい。
恰幅のいい太股も、靭やかな二の腕も、無骨な手の甲も今この瞬間は全部自分の為に在る。
素敵だ。希灯は自然とそう感じた。
好きで好きで堪らなくて、でもその想いを打ち明けられずにいた相手とこうして子作りを前提に寝台を共にしている。
告白もしていないのにと少し惜しむものの、希灯は初めてをカムクラに捧げられること、そしてカムクラの初めてを自分のものに出来ることを最上の幸福のように思い満ち足りた気分になった。
「……誉稀、まずは薬を塗りましょう」
用意されていた排卵誘発剤入りのチューブを手に取りやすい場所に移動させる。
カムクラが希灯のショーツに指を掛けた。脱がせやすいように希灯はほんの少し腰を浮かせ、脚も抵抗のない角度に曲げる。
『何だか恥ずかしいね……。』
ショーツを脱がされた希灯はベビードールの裾を引っ張り秘部が見えてしまわないようにした。
「ほら、隠してないでちゃんと広げてください」
希灯の膝を掴んで外側に押し広げると、ふっくらとした大陰唇が露になった。
使用感のない陰唇をカムクラが開く。
「処女膜がありますね。邪魔なので今破ってもいいですか?」
膣口付近に丸く小さい孔が1つあった。
『やだ……どうせなら本番で破ってほしい。』
「そうですか……まぁ処女膜も多少伸縮するらしいので、じっくり解せば傷付けずに指1本くらい入るでしょう」
まじまじと秘部を見られていることに羞恥心を覚え、希灯は頬を紅潮させる。
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