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君と私と(非)日常

第28章 爺共からの床急ぎ


「とは言え……僕の指はこの通り太いので限度があります。処女膜が惜しいのなら誉稀自身の指で塗ってもらうことになりますが、ちゃんとやれますね?」
カムクラは自身の指と希灯の指を合わせて比較した。
希灯の指は柔らかく、細くて短い。それとは対照にカムクラの指は硬い節のある太くて長いものだ。
『出来るかなぁ……入ったとしても、子宮口まで指が届かないかもしれないよ。』
「問題ありません。気持ち良くなると子宮は下りてくるそうなので、そのタイミングを狙えばきっとどうにかなりますよ」
『簡単に言うねぇ……。』
希灯が指先で膜を確かめる。
張りのある柔らかい粘膜は手加減次第では裂けてしまいそうだ。
『どうやったら弛むの?。』
「取り合えず"気分を高める"という事をしてみましょう。僕も手伝うので、誉稀は頃合いを見て孔を少しずつ広げるように指を押し進めてください」
『わかった、やってみる。』
カムクラが希灯に寄り添うように身体を倒す。
2人は寝転がった状態で向かい合った。
希灯の頬にかかる髪の毛を撫でるように後ろへ流すと、希灯はくすぐったそうに笑う。
『っふ……イズルくんの方が髪の毛鬱陶しそうじゃん。』
長く垂れ下がる黒髪を希灯が指にクルクルと巻き付ける。
『私、イズルくんの髪好きだよ。真っ黒で、毛量も多くて……そこから覗く真っ赤な瞳も大好き。低くて落ち着いた声も、ちょっと乾燥した指先や唇も好き。』
「そうですか。僕はあなたのその遠回しな伝え方は好ましく思いませんけどね」
『そっかぁ……そうだね。本当に好きなのは………。』
希灯は言い掛けて口をつぐみ、その後で小さく嘆息する。
あぁ、うんざりだ。この期に及んでまだ言えない。
何が引っ掛かると言うのか、彼そのものへの好意を素直には口に出来ない。
まぐわって気分が高揚すれば言えるようになるだろうか。
照れとも違う感情をはぐらかすように希灯はカムクラと再度唇を重ねた。
希灯からのキスに応え、カムクラが希灯の唇を優しく舐める。
『………っ。』
覚えのないピリピリとした感覚が走り、希灯は少し身体を強張らせた。
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