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君と私と(非)日常

第27章 益体もない裁判


『日向くん、拭く物くれてありがとう。これあげるね。』
「ああ、どういたしまして」
希灯が日向にモノクマメダルを数枚渡した。使った風呂敷バッグとイロハシャツはトラッシュルーム行きが確定している。
「大丈夫か? 涙と鼻水で肌が荒れてるぞ」
『うん、大丈夫。上に戻ったら洗うよ。』
まだ微かに出てくる涙を拭いながら、希灯は裁判場を出た。





「ただいまだべ~………ぇええっ!?」
部屋に戻った瞬間、床下から出てきた首枷が葉隠を拐う。
埃っぽく狭い空間を延々引き摺られた後、葉隠は訳も分からぬままとある部屋に投げ出された。
そこは先ほどまで沢山の生徒が居た裁判場だった。
「痛て……一体何だべ?」
「よく来たね、葉隠クン。それじゃあさっそく……おっしおっきタァーーイム!!」
「うえぇっ? マジで何なんだべ!? 説明してくれぇ!」
ハンマーでボタンを叩くモノクマ。モニターには葉隠がクロに決まったことを示す動画が流された。
「説明? どうしてこうなったのか知りたかったら、このお仕置きで生き残らなきゃね。そしたらきっと皆が教えてくれるよ!」
モノクマのその言葉を最後に、葉隠は繋がれた首枷にまた引っ張られ何処かに連れていかれる。
「たっ…助けてくれだべーーー!!!」
首枷が止まったと思えば、変な形の椅子に座らせられて手足や胴を固定されていた。間抜けにM字開脚させられているようだ。
「な……何する気だべ?」
「超高校級の占い師のお仕置き! "3分の1の確率で死ぬ!! 全自動快楽昇天マシーン"に一晩乗ってもらいます!」
複数のマジックハンドが電動のマッサージャー、吸引機やブジーを持ち葉隠に向けて構えた。
「じゃあねー。アタシ汚ないもの見たくないから明日の朝、残姉ちゃんに死体を回収しに来させるわ。せいぜい生きたかったら気をしっかり持ってね」
モノクマのふりをすることすら飽きた江ノ島盾子がその場を離れる。
エレベーターの扉が閉まるまでずっと葉隠の絶叫が地下に響いていた。









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