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君と私と(非)日常

第27章 益体もない裁判


『うん……あまりの光景に体感時間がおかしくなっちゃったから、どれくらい行為に時間を割いてたのかわからなかった。暫く見てたらイズルくんが苦しそうにし始めて、射精時とはまた違う震え方をしたんだ。動かなくなったのを見たときは気絶しただけなのかと思ったけど、呼吸がなかったから焦って罪木さんを呼んだの。連れてきたのはイズルくんが動かなくなって十数分経過した頃だったから、もう手遅れだったけどね………。』
「そ、そこで私がカムクラさんの姿を見て……思わず叫んでしまったのでぇ……ご、ごめんなさぁい! 希灯さんのお役に立てずに、その上皆さんを意図せず呼ぶことになってしまうなんてぇえ………!」
震えながら泣き出す罪木蜜柑に、希灯が首を横に振る。
『罪木さんのせいじゃない。それに、最後までイズルくんを生き返らせようと頑張ってくれたから、結果はどうあれ感謝してるんだよ。』
「ケッ、綺麗事ブッこいてんじゃねーよ! その鈍臭い貧乏胸を呼んだのはどうにかして罪を被せたかったからじゃねーのか?」
強気な入間美兎が希灯に向けて中指を突き立てる。
『さすがにそんな悪足掻きはしないよ……。イズルくんを死なせてまで外に出たいだなんて思わないし、現に私はイズルくんが生きてないこの世にもう価値を抱けない。』
だから私が犯人でいい……と希灯が自らお縄に掛かろうとする。
「残念だけど、そうもいかないわ」
「ククク……どうしてだい?。希灯さんを選ばないのなら、君の父が死ぬことになるっていうのに……」
「いえ、死ぬのは希灯さんでもあの人でもないの。だって、2人にキーワードを与えた罪深い人間がちゃんと希灯さんの話に出てきたじゃない」
霧切響子が苗木に目を向ける。
「……ここまで言えば分かるわね?」
苗木は深く頷き、すっと目を閉じた。

閃きアナグラム【となりのへや】

「………そうか、わかったぞ! 真犯人はカムクラクンの隣の部屋の人……つまり葉隠クンのことだ!」
「んあー、何で分かってない段階で自信満々に頷いたんじゃ……?」
目を閉じて十数秒経った後に答えを出した苗木に夢野秘密子が首を傾げる。
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