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君と私と(非)日常

第27章 益体もない裁判


どうやら場所は何処かの教室のようだ。奥に黒板があり、隅に机や椅子などが並んでいる。人影は教室の中央にあった。
目隠しをされた状態で、学生用の椅子に縛り付けられた霧切仁が拘束を解こうと必死に身を捩っている。
背後にはアイアンメイデンを象った乗り物らしきものが置いてあり、物々しい雰囲気で搭乗口を大きく開いていた。まるで学園長が中に放り込まれるのを今か今かと待ち構えているかのようだ。
「いや怖えーよ! 何で今までテクノブレイクやらオナ見せやらで騒いでた議論を原作の1番最初のお仕置きで締め括ろうとするわけ?!」
桑田礼恩が若手芸人のツッコミの如くモノクマに物申す。
「そうそう、ここは穴という穴に慣れない卑猥な玩具を無理矢理挿入されて痛みと恐怖と快感に身悶えする学園長の方が良かったんじゃなぁい?! 目隠しして縄でがんじがらめにしてる今ならまだ間に合うわっ! 身体中の水分を精液に変えてやりましょうよ!! ゲラゲラゲラッ!」
いつの間にかジェノサイダー翔になった腐川が下世話な提案をしながら腹を抱える。
2人の言葉にモノクマは答えずに肩を揺らして笑うだけだった。
「もういいわ……議論を進めましょう」
霧切響子がモニターから円卓に向き直り、皆に促す。
「どっちが悪いかって話だったよねぇ……? 希灯さんとカムクラくんのどっちがクロなのかを決めるにしても、どのみち誰かが死ぬって分かってたらやりずらいよぉ……」
不二咲千尋が悲しそうな顔で希灯とスクリーンに映る霧切仁を見る。
『私が悪いよ……私がイズルくんにしつこく頼まなきゃ、イズルくんはあんな恥ずかしい格好で死ぬことなかったんだから……!。全部、私が原因なの……!。』
希灯は泣きながらに訴えた。
絶えず溢れる涙と鼻水で風呂敷がカピカピになり始めているのを見て、横に居た日向が新しい拭く物を差し出す。今度はイロハシャツだった。
「本人の告白だけじゃ信用出来ないわ。今一度、何が本当の原因だったのかを掘り下げていきましょう」
霧切が希灯と目を合わせる。
「希灯さん、カムクラ君が死ぬ数時間前からもう1回細かく教えてもらえないかしら」
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