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君と私と(非)日常

第27章 益体もない裁判


『そう、私が……私があんなこと頼まなければ……!。』
手で顔を覆ってまた咽び泣き始めた希灯。
『うっうぅ……!。イズルくん………ぅあ……おえぇっ……!。』
これでは暫くまともに話せないだろう、と霧切は溜め息を吐く。
「いつまで泣いてんのよ! あんたのせいで真犯人分からないまま終わっちゃうかもしれないじゃない、このモブ顔処女ビッチ!」
「ふおぉっ……処女とビッチという相反する単語を並べるとは……さすが西園寺日和子殿、ただのロリっ娘ではありませんな!」
「やだー! おねぇ、あのデブ同じ豚でも豚足ちゃんと違ってすごくキモいよー!」
小泉の背中に隠れて気持ち悪がる西園寺。全身に鳥肌を立てている為、本気で嫌悪していることが窺える。
「希灯さん……落ち着いて。まずは顔を拭こう。誰かハンカチ持ってない?」
苗木が希灯を宥め、周囲に拭くものを貸すように呼び掛ける。
「そういう事はご自身で持っている時に言うべきですわ、苗木くん」
「あ、セレスさん。ハンカチ持ってない?」
「持っていても貸しませんわよ。わたくしのハンカチは汚すためのものではありませんの」
自身のハンカチをポケットの最奥に押し込みながらセレスが返答した。
「俺のをやるよ……ハンカチじゃなくて、モノモノヤシーンで手に入れた風呂敷バッグだけどいいか?」
『ありがとう……でも、モノモノヤシーンならティッシュも良い確率で出るよ?。』
新品の風呂敷で顔を拭いながら希灯がどうせならと聞く。確か2日前に日向は5回連続ティッシュを当てていた筈だ。
「ごめんな、ティッシュは昨夜で全部使いきっちゃったんだ」
『そ……そっかぁ………。』
同じ体なだけあるな、と希灯は密かに察する。
『お待たせ……少し落ち着いたから事件直前のことを話すね。』
風呂敷を握り締め、希灯が皆に向き直った。
『事件の数時間前から、私はイズルくんと一緒に部屋で寛いでたの…………。』



【回想】
『イズルくーん、暇だねー。』
「でしたら、いい加減に僕の部屋から出ていったらどうですか。あなたを招き入れた覚えはありませんよ」
『……ねぇ、イズルくんの超高校級の希望って才能、どんなことでも完璧にこなせるってことなんだよね?。』
「そうですが何か?」
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