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君と私と(非)日常

第27章 益体もない裁判



ついに幕は開く……。
命がけの裁判……命がけの騙し合い……命がけの裏切り……命がけの謎解き……命がけの言い訳……命がけの信頼……。
命がけの……学級裁判………。

「さてさて……始まりましたね。オマエラ、学級裁判のルールはもう原作で分かってるでしょ? まずは議論のまとめから、やっちゃってくださーい!」
席の区切りのない円卓に、複数人の高校生と180cm程の高さの遺影が1台立っている。
「まずは被害者の確認からだね……」
小泉真昼が伏し目がちに促す。
「断言しよう、殺されたのはカムクライズルだッ!」
「男死なんかに断言されなくても遺影を見ればそれくらい分かります!」
額の中に飾られた人物の画像は希望ヶ峰学園の叡知の結晶である"超高校級の希望"カムクライズルだった。
「……ところで、何で俺が居るのにカムクラが個で存在してるんだ?」
「はいはい、そこ! これだから予備学科は! 夢小説に原作と同じ条件求めたって無駄!! 気にしないの! これだから予備学科は!」
戸惑いながら挙手した日向創をモノクマが捲し立てるように牽制する。
「取り敢えず死因の確認をしようぜ」
「そうですね。わたくしも含め何人か遺体の様子を確認出来なかったでしょうし……」
「まぁ、現場があの有り様じゃあな……仕方ねーよ」
死因の確認の話になって皆一様に口ごもった。
まさか超高校級の希望と讃えられていた彼がよりにもよってあんな死に様を晒すなど誰も想像出来なかっただろう。
「カムクラ君の死因は急激な血圧の上昇によるものよ。外傷は特になかったけれど、遺体はスラックスのファスナーが全開で陰茎が意図的に出された状態だった。衣服や床、そして死亡時すぐ側に居た人の髪や顔に白濁した体液が飛び散っていたわ」
霧切響子がいつもの調子で答えていく。
「問題はどうして急激に血圧が上昇したのか……貴方なら答えられるわよね」
霧切が目を向けたのは、額縁に寄り添うように立って泣きじゃくっている希灯誉稀だ。
『うぅ……ぐすっ。分かった…答えるよ……。』
鼻を啜り、涙を拭う希灯。次々溢れ落ちる涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだった。
『イズルくんは…私のせいで死んだの。』
「やっぱりね……あたしは最初からアンタが犯人だって分かってたわよ、この痴女!」
腐川冬子が震える指先で希灯を差し責める。
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