• テキストサイズ

君と私と(非)日常

第26章 乙女っていいよね


ドライヤーのスイッチを入れ、一番強い温風を出す。
『じゃあ、じっとしててね。』
「コ、コードで首絞めたらタダじゃおかないわよ」
『そんなことしないって……!。』
首を手でガードしながら警戒する冬子ちゃん。
ここまでしといて今更殺すわけないよ!。……いや、頼りになると信用させて、油断したところを狙うのも策としては十分成り立つかな?。
『……まぁ、不安なのも無理はないから、危険だと思ったら突き飛ばしてもいいよ。』
「何言ってんのよ。余計に怪しいわよ」
念の為に背後からじゃなく、対面で髪を乾かす事にした。
髪を持ち上げ、根元から乾かしていく。
洗っている時と同様にマッサージも片手でしながらドライヤーの風を当てる。
『ドライヤーはあんまり近付けすぎないようにね。低温ヤケドも有り得るし、髪が長いとドライヤーの後ろの穴に巻き込まれちゃうから良いことないよ。』
30センチが理想の間隔なんだけど、まぁ近すぎなければ神経質にこだわらなくても良いと思う。
『少しずつサラサラになってきたねー。』
根元が粗方乾いて、肩下から毛先までの範囲に移る。
髪が縺れないように毛先から少しずつブラシを入れ、丁寧に乾かしていった。
『よーし、終わり。もういいよ。』
ドライヤーを止め、仕上げに長い髪を一束に緩く結んであげる。
冬子ちゃんはいつも三つ編みだから、髪に癖が付いてウェーブになっているようだ。
元々はストレートなのかもしれない。
『たまには三つ編み以外もいいんじゃない?。朝比奈ちゃんみたいなポニーテールも似合うと思うよ。』
「やめなさいよ……どうせ皆して気持ち悪がるんでしょ。それを分かって勧めるとか、アンタ相当陰湿ね……」
爪を噛みながら睨んでくる。相変わらず被害妄想は逞しいな……。
『まぁ、いつもの三つ編みのまんまでいいんなら無理に変えなくてもいいよ。それよりも、髪触ってみて。すごくサラサラふわっふわだよ。お花の香りもする。』
髪の毛をモフモフさせながら冬子ちゃんに見せる。
「……まぁ、いいんじゃないの」
『明日からもちゃんとお風呂に入って、今日私が教えたことを継続的にやればもっと綺麗になるから。』
まぁ初歩の初歩でしかないけど、ここで生活する分には十分だろう。
/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp