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君と私と(非)日常

第21章 こんにちは、フィクション。②


「あのね、キサマラの間で殺人が起きた場合、全メンバーが参加する学級裁判が行われるんだよ」
「学級裁判では、殺人を犯した"クロ"と、それ以外の他の生徒の"シロ"が対決するんや」
「その学級裁判の場で「クロは誰か?」を、キサマラに議論してもらうんだよッ! で、その後の"投票タイム"で多数決によって導き出された答えが正解だった場合は……」
「さ、殺人を犯したクロだけが……"おしおき"されて………ううっ……やっぱり残酷だわ。想像しただけで……グロくて吐きそう……」

カンペを回し読みしながらモノクマーズは説明を続けていく。
内容は知っての通りだった。
誰にも見られないように誰かを殺し、学級裁判が開かれ、クロとシロのどちらかが勝たなければいけない……番組的にはシロが勝ち続けなければいけないルール。

「……まぁ、かったるい説明タイムはこれくらいにして――ワックワクでドッキドキな、"コロシアイ新学期"を始めましょうかー! 才能溢れる天才高校生を閉じ込め、コロシアイの1番を競い合わせる場……その舞台となるのが、この"才囚学園"なのでーす!」

ひとしきり説明を終えると、モノクマとモノクマーズは去っていってしまった。
その直後、突然周りから大量のアラーム音が鳴り響いた。

「モノパッドが……!」

みんな一様にモノパッドという物を取り出して画面を凝視している。あれが今回の生徒手帳か。
……私のは?。

『ねぇゴン太くん、私にも見せて。』
「え……うん、わかったよ」
『ありがとう。』

すぐ隣に居たゴン太くんのを覗き込む。
……あぁ、なんだ。校則が追加されただけっぽい。
そこら辺のルールは何となく把握してるし、今回特に変更もなさそうだからちゃんと見なくても大丈夫そう。
問題は、私にだけモノパッドが与えられなかったことだ。
これじゃあ自分の名前や才能を名乗れない。

「才囚学園の校則か……要は、ここでのルールって訳だな」
「ふ、ふざけんな……何がコロシアイだ……何が校則だ………ふざけんなっ! 誰がこんなモンに従うかってんだ!」
「……おっと、ダメっすよ」

紫色のスーツを来た男子が手にしたモノパッドを床に叩き付けようと大きく振り上げるが、緑の頭の男子に制止させられた。

「モノパッドは壊したらいけないって、校則にも書いてあるっす」
「違反したらエグイサルに処分される……ってあったわね」
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