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君と私と(非)日常

第21章 こんにちは、フィクション。②


「校則なんて知るかっ! オレはこんなふざけた遊びに付き合う気はねー!」

憤りながらモノパッドを強く握り締め、みんなの止める声も聞き入れずに居る。

「こいつは遊びなんかじゃねーっす。この状況で逆らうのは無謀っすよ」
「ほっとけ、ほっとけ! 救えねーバカが世界から1人減るだけだ!」
「あぁ!? 誰がバカだっ!」

売り言葉に食い付いて、紫色の男子は鼻息荒く怒鳴る。
でも、すぐその声を欠き消す叫びが飛び出した。

「もー! ケンカしてる場合じゃなーい!!」

音符のヘアピンを付けた女の子だ。
いきなりの怒号にみんなは驚いてその娘に注目する。

「仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。こういう時こそ、みんなで協力しないと! とにかくさ、みんなで1度出口を探してみない? 私達が入って来れたなら、きっと出る方法があるはずなんだって!」

あ、こういう前向きな子もちゃんと居るんだ……。
よかった。コロシアイの阻止を協力してくれそうな人が居るなら多少心強いものだ。

「私達を閉じ込めた奴なんかの思惑通りにはならないってところを見せてやろうよ! みんなで争い合うんじゃなくて、みんなで協力し合うんだよっ!」

彼女の言葉でみんな一致団結し、何だかんだ良い雰囲気になった。

「あっ、出口って言ったら、もしかしてさっき君の調べてた……」
『マンホールのこと?。』
「おっ、何だお前ら。何か心当たりがあんのか?」

ゴン太くんが私に話し掛けたのに反応して、紫色の男子が近付いて来た。

『ここに集まる前、私たちは校舎の裏にある建物に居たんだけど……そこで人が出入り出来る大きさのマンホールを見つけたんだ。』
「僕が蓋を開けて、彼女が中に入ろうって時にアナウンスがかかって入れなかったんだけど……もしかしたらそこが出入り口ってことも有り得るかもしれないよ」
「そ、そういう大事な事は、もっと早く言ってください!」
「とにかく、すぐに確認に行きましょう。校舎の裏という事は……裏庭のボイラーがある所ね? 2人とも、案内をお願い」

そんな訳で、みんなで校舎の裏に向かうことになった。










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