第4章 4.
「信長公の刀は、『へし切り長谷部』『宗三左文字』『薬研藤四郎』『不動行光』『鶴丸国永』『燭台切光忠』の六振りが実装されています。
特に長谷部と宗三はかなり癖のある刀剣男士として登場しています」
「源氏は、源氏の刀はありますか⁉︎」
信長が「何があった未来…」と遠い目をしている中、与一がキラキラした目で聞いてくる。
沙夜は小さく笑うと、画像を変えた。
「源氏の刀は確か、『今剣』『岩融』『髭切』『膝丸』『獅子王』『石切丸』の六振りが実装されています。
どれも平安時代に打たれた刀ですので、他の平安刀と一緒に平安組とか爺組とかと呼ばれています」
爺組でツボに入ったのか、与一は腹を抱えて爆笑した。
それどころか地面を転げまわっている。
ふと視線を感じて振り向けば、豊久が期待を込めた眼差しで沙夜を見ていた。
沙夜は苦笑した。
「島津家の刀は、実装されていないんですよ…」
「ほうか…」
見るからに消沈した豊久を見た沙夜は、豊久の頭から犬の耳が垂れたのが見えたような気がした。
(あれ、犬がいる…)
「でも、九州の刀はありますよ。
確か、『日本号』『へし切り長谷部』『歌仙兼定』『小夜左文字』『厚藤四郎』『博多藤四郎』、そして『同田貫正国』の七振りですね。
私の一番の推しは同田貫で、イベントなどのよっぽどのことがない限りはいつも近侍にしてましたよ。
もう少しでカンストだったのにな…」