第3章 3.
「…えぇぇぇぇぇ‼︎‼︎⁉︎」
オルミーヌの大声に、話し込んでいた三人が何だと振り向いた。
沙夜はというと傷が響いてあまりの痛みに蹲る。
それを見た信長がオルミーヌに怒鳴る。
「おいオッパイーヌ!
怪我人のそばで叫ぶなよ!」
「沙夜殿落ち着いて、ゆっくり息をしてくだされ」
与一が傷に響かぬように、優しく背中をさする。
沙夜は言われた通りにゆっくりと呼吸を繰り返し、痛みをやり過ごす。
「す、すいません!
大丈夫ですか⁉︎」
「はい、何とか…」
あわあわと落ち着きのないオルミーヌに、沙夜は苦い笑みを浮かべながら気にしていないと答える。
「で、何(ない)をそげん驚きよったんじゃ」
「それが…その…」
オルミーヌは言い淀んで沙夜を見たが、頷いたのを見て言った。
「沙夜さんは、戦争のない時代から飛ばされたそうで、戦えないそうです…」
その瞬間、三人の空気が変わった。
三人がオルミーヌへと向ける視線には、怒気が溢れている。