第3章 3.
沙夜が目を覚ましてすぐに、どこから聞きつけたのかツインテールのメガネをかけた女が慌てた様子で彼女たちのいる部屋へと駆け込んできた。
彼女はオルミーヌと名乗り、魔導師結社「十月機関」の一員だと言った。
「あなた方の様に、どこかの世界から飛ばされてきた人々を我々は漂流者(ドリフターズ)と呼んでいます。
そして、同様に飛ばされてきた人ならざる悪しきものは廃棄物、廃棄者、エンズと呼ばれています。
私たち十月機関はそれを見極め監視し、廃棄物に対抗するために漂流者を終結させることを目的としています」
オルミーヌの説明を聞いて、沙夜はまた頭を抱えた。
つまり、世界を滅ぼそうとしている魔王の軍団を打ち倒すべく、世界中に散り散りに召喚された勇者たちを集めて戦おうとしている。
と勝手に解釈して、頭痛に見舞われた。
どんなRPGだと呟きたいところだが、まずは期待を込めた眼差しで見つめてくるオルミーヌとやらに言わなければならないことがある。
「あの、オルミーヌ?さん」
「はい!」
武将三人組はというと、また何か話している。
豊久が「よく生きとるな主(ぬしゃ)」と言っているのが聞こえたので、恐らくは信長の謀反を起こされた数でも聞いているのだろう。
それを尻目に、沙夜は口を開いた。