第2章 〜2〜
「…………え?」
先程まで清々しいほど晴れ渡っていた空が、いつの間にかどんよりとした雲に覆われて今にも雨が降り出しそうだった。
(ちょっと待ってよ……いきなり雨?)
慌てて背負っていたリュックから折り畳み傘を取り出そうとした瞬間、バケツをひっくりがえしたような土砂降りになった。
(嘘でしょ……)
あっという間に全身がびしょ濡れになり、溜息をつきながら傘を出そうとした時、すぐそこで雷がなった。
(雷まで……?もう勘弁してよ……)
傘を取り出すのも面倒になり、近くの軒下に逃げ込んで雨が弱まるのを待つことにした。
(全然止みそうにないけど……?でもこの雨の中折り畳み傘で歩くのも嫌だなぁ……もうびしょ濡れだけど……寒くなってきたなぁ……)
震える身体を温めようと、しゃがんで膝を抱えながら
雨が止むのを待つ。
通り雨だと思いつつ目の前の石碑を何気なくぼーっと見つめていた。
(明智光秀って信長の家臣じゃないの?奇襲されたってことは裏切られたのか……どんな思いだったのかなー)
そんな絶対に答えの出ない疑問を持ったその時、目の前がピカッと物凄い光に包まれた。
ゴロゴロゴローーーーーッ!!!
(雷落ちた……ッ!!!)
意識を手放す前、最後に思ったのは(あぁ、私、死んだな……)というなんとも焦りのない思いだった。