第2章 〜2〜
先ほどと変わらず外は晴れ渡っている。
(もうすぐ10月なのに暑いけど、風があるから気持ちいいな……)
そう思いながら駅を通り越して、旅館のお姉さんが教えてくれた、紅葉を見に川を目指す。
数分後歩くと、川が見えてきたので心なしか早歩きで近づく。
(うわぁ……キレイ……)
川の向こうに見える山はうっすらと黄色や紅く色づき始めていた。
(空はまだ夏雲なのに、山はもう紅葉が始まってる……なんか不思議だけどすごい綺麗……)
スマホで何枚か写真を撮る。
(時期的に楓の葉とか乗せたら可愛いかな……紅葉を感じさせられるひと皿にしたいな……)
店で出すデザートを考えながら、暫し美しい景色を眺める。
(あー、ちょっとお腹減ったな……甘味のお店ないかなー)
ふと感じた空腹を我慢出来ず、景色を後ろに歩き出す。
川沿いを歩いてお店を探しているとある看板が目に止まった。
《本能寺の変跡地この先→》
(あ、お姉さんが言ってたやつね。別に信長好きな訳じゃないけど、せっかくだし行くかなー)
看板を頼りに進んでいくと、みたらし団子のお店を発見し、1本買って食べ歩きしながら本能寺の跡地へ向かう。
五分も歩かないうちに、目当ての場所が見えてきた。
(……ここ……だよね?これだけ?)
そこにあったのは石碑だけ。
当時の建物などは何も残っておらず、その石碑にはここで信長が明智光秀に奇襲され自らの刃にて倒れたと書いてあった。
(あ、焼死したんじゃないんだ、死んだ後に寺ごと明智光秀によって焼かれたんだ……でもなんで奇襲されて自分で死んだんだろ。やられるくらいならって自害したのかな……)
学生の頃、さらっと勉強しただけだったので大した知識も無かったため、石碑に書かれてる文字を読み驚いた。
ーーーその時ーーー