第10章 〜10〜
それを見届けた優鞠は、今度こそ下がろうとした。
「優鞠」
「!!はい。」
「貴様に頼みがある」
「頼み……とはなんでございましょう……」
「なに、難しい事ではない。耳を貸せ」
「??」
優鞠が信長にゆっくり近づくと、信長は耳打ちでこう言った。
「お前にの見張りを頼む」
「……見張り……ですか」
「あぁ、あいつがこの城から逃げ出さぬよう見張れ。なにかおかしい行動等が分かれば、すぐ様サルに報告をしろ」
「(サル……っていうか見張りって……)はい……わかりました……」
「信長様。それでは説明が足りません」
「俺は必要なことを伝えた迄だ」
「そうですが、それでは変な誤解を産みます」
「詳しいことはサルに聞け、優鞠」
「は、はい」
「はぁ。全く。優鞠、ちょっといいか?」
秀吉はそう言うと、優鞠を広間から連れ出した。