第10章 〜10〜

私たちが側へ行くと、信長は隣に私を座らせ、盃を手渡した。


「今宵は貴様の歓迎会だ。有難く呑め」

「あ……はい。」

「なんだ、嫌だというのか」


信長が怪訝そうな顔で私を見る。


「いや、昨日信長様にお付き合いしてお酒飲んだら、今朝二日酔いになったので、程々にしようと思って……」

「貴様、酒は弱いのか」

「そういう訳では……ただあのお酒が身体に合わなかったようで」

「ほぉ？なら別の酒を用意してやる」

「え？あるんですか？」

「ああ」


信長がそう言うと近くにいたお珠さんが立ち上がり、お酒を取りに行ってくれたようだ。


(お珠さんに後で御礼言わなきゃ)


すると、信長が私と優鞠を交互にみて言った。


「そこの女中」

「はい。」

「貴様名は」

「優鞠と申します」

「優鞠か。いい名だな。」

「……勿体無いお言葉ありがとうございます」

「あぁ。」


そのやり取りに私がポカンとしていると、秀吉さんが私に言った。