第10章 〜10〜
「、ここだ」
政宗がそう言いながら襖を開けると、物凄く広い部屋が見えた。
(すご!!畳何畳あんの……こういう部屋時代劇とかで見たことあるけどその倍くらい広い……そして、すごい人……)
あまりの広さに呆然としながら、大勢の家臣達の中に見知った顔を見つけた。
「あ、三成くんだ」
「その前に、信長様に挨拶だ」
「あ、そうだね。」
そう言うと一番奥に居る信長を見つけた。
秀吉に酌をされ、気分良さげに盃を空にしている。
(……今日はあんまりお酒飲まないように気をつけよう……)
そんなことを考えていると、優鞠に呼び止められた。
「様、私はここで失礼致します」
「え?」
「女中が全員出払ってしまっては、宴の料理等を運ぶ人間がいなくなります。」
「あ、そうだよね……」
(でも優鞠ともっと話したいな……)
などと思っていると、信長が私を呼んだ。
「、こちらへ来い」
「……はい。今行きます。」
私が向おうとすると、また声がした。
「といる女中も共に来い」
「「え?」」
二人の声が重なり、顔を見合わせた。
すると政宗が急かした。
「ほら。信長様がお呼びだぞ二人共」
「うん……優鞠もいこ?」
「……はい……(顔を見られるだけで良かったのに……信長様何を考えてるんだか……)」
優鞠は顔に出ないよう注意しながら、心で大きなため息をついた。