第9章 〜9〜
「はぁ……疲れた……」
「様、ご苦労様でした。この橋を渡れば城の入口でございます。」
「はぁ……やっと……」
肩で息をしながら見上げると、教科書やテレビでしか見たことのない様な、素人目に見ても豪華で大きな城がそこに立っていた。
「……大きいお城……あれは……湖?」
「ええ、あれは琵琶湖でございます。あそこの水を生活に使用してるんですよ」
「へぇ……(琵琶湖……?滋賀県?京都から滋賀県まで歩いたんだ……すご……)」
現代ではなかなかありえない距離を歩けた自分に感心しながら橋を渡る。
すると、橋の向こう側に数人の人達が居て、先についた政宗達と話をしているのが見えた。
(あの政宗と話してる人……誰だろ……また戦国武将だったら凄いなー……)
なんて軽く心で笑いながらその輪に近づくと、私に気がついた政宗が私に笑いかけた。
「お、、無事に歩き着けた様だな」
「うん……。凄い疲れたけどね……」
「大したもんだ」
そう言いながら政宗は私の頭に、ぽんっと大きな掌を乗せた。
(なんでこの時代の人は私の頭を撫でるんだろう……スキンシップ激しい……反応に困るんだよなぁ……)
そんなことを考えていると、政宗と話していた頭の良さそうな男が私たちを見てクスリと笑った。