第8章 〜8〜
「信長様と秀吉様は既にここを経たれています。」
「え?そうなんですか?」
「夜明けとともに出発なされたそうで」
「へぇ……(私より寝てないのに信長様お酒強いんだな……)」
なんてどうでも良いことを考えていると、野営に政宗が入ってきた。
「よぉ」
「あ、政宗さんおはようございます」
「あぁ。……お前体調悪いのか?」
「え?」
「顔色が悪い」
「嘘……」
「ああ、風邪でもひいたか?」
「いや……多分二日酔い……」
「二日酔いだと?……昨日飲みすぎたな?」
「いや、そうでもないはずなんですけど……」
「城までの道は長い。無理するなよ」
「はい……」
「あと」
「?」
「俺に敬語はなしだ」
「は?」
いきなり変わった話題に二日酔いの頭が付いていけず、ポカンとしていると、政宗が私の頭を軽く撫ぜながら言った。
「お前に敬語を使われるとムズ痒くてな。俺に敬語は使わなくていい。あと敬称も付けなくていい」
「……わかった。」
「よし、いい子だ」
そう笑って言いながら政宗は私の隣に腰掛けた。