第7章 〜7〜
「信長様、只今戻りました。」
2人はまっすぐ信長の前へ行き、帰還の報告をした。
「ああ、長らく待たされたな」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、信長は私をまっすぐ見据えて言った。
「おい女。貴様に聞きたいことは沢山ある。質問にはすべて答えろ」
「……はい。私がわかることはすべてお答えします」
信長は秀吉達以外の家臣を外に出し、野営の中は5人だけが残った。
そうして長い尋問が始まった。
「手始めに、貴様名はなんという」
「、といいます。」
「ほう、貴様苗字を持つのか」
「???」
はてなマークを浮かべた私に秀吉さんが教えてくれる。
「今の時代、苗字を持つのは殆どが武士だ。お前のような娘が苗字を持つことは極めて稀だ」
「へぇ……そうなんですね」
「」
「はい」
「単刀直入にいう。貴様、あの時本能寺でなにをしていた」
「(……来た、その質問)えっとですね、一言で言うと、気がついたらそこに居たとしか言いようがなくて……」
「あんた、俺らのことバカにしてんの」
「いや、違くて……話すと長いんですけど……」
「構わん、すべて話せ」
「はい……。えっと……先に言っておくと私は……この時代の人間ではありません。」
「「はぁ?」」
秀吉と政宗は驚いて信じられないと声を上げた。
家康は黙って怪訝そうに私の顔を見つめている。
信長は何を考えているか分からない顔で私を見据えていた。