第19章 〜19〜
「そこでだ」
「ん?」
「お前に何か、仕事を任せたいと思ってる。」
「仕事?どんな?」
「それはお前が出来る事が仕事になれば一番いいんだが……お前は何が出来る?」
「……出来る事……あ、前の時代では料理人だったよ?だから料理は出来る」
「ほぉ」
「あと掃除と洗濯も普通に出来るけど……料理もだけど多分やり方がこの時代は違うから覚えるのに時間かかると思うけど……」
「そんないきなり1人前の仕事をしろなんてこっちも思ってない。どこかに属して働いていた方がこの時代にも慣れやすいだろ?それに働くとなればそれ相応の賃金も渡す。」
「……うん……(ありがたい話だなぁ)」
「まあ、まだ城に来て数日だからな。ゆっくり考えてみてくれ。その件について聞きたいことがあれば優鞠にでも俺にでも何でも聞いてくれ。」
「うん。わかった。ありがとう。」
「あぁ」
秀吉さんが立ち止まって振り返り、私の頭をポンッと撫でながら言った。
「優鞠も、頼むな」
「……はい」
優鞠が頭を下げるのを見届けると、秀吉さんは「じゃあ、またな」と言って去っていった。