第19章 〜19〜
「実はな、城下の町人達にはお前の事は織田家と縁がある姫君、という事で知らされてるんだ」
「……姫君……(佐助くんが言ってたことほんとなんだ……)」
「ああ、お前がどこから来たのかあまり人に言いふらす訳にはいかないからな。姫としておけば安土城に住んでもおかしくはない。これは信長様の決めた事だ。まあ、嘘をついている事にはなるが、お前を守る為だ」
「……うん。ありがとう……」
「まあ、本当に姫の様に暮らしてもらっても構わないと信長様は仰ってる。」
「姫のように?それってどんな?」
「まあ、簡単に言うと毎日遊んで暮らすだけ。って感じかな。」
「遊んでるだけ……(ニートじゃんそれ……)」
「それで頃合いを見て誰かと祝言でも上げる事になるかもな」
「祝言……?」
「ああ、結婚ってことだな」
「け、けっこん?」
「姫だからな。織田家の為にどっかの武将と政略結婚させられる可能性も無くはない。」
「……やだ。」
「ん?」
「政略結婚もだけど、お姫様扱いなんて私には似合わないからやだ。」
「ふ、俺もそう言うと思ってた」
そう言うと秀吉さんはニヤッと笑った。