第19章 〜19〜
「お、に優鞠。おはよう」
「……秀吉さん、おはよう」
「……秀吉様、おはようございます」
優鞠は少し慌てて、立ち止まり一礼した。
「何してるんだ?」
「あ、部屋で朝餉食べたからお膳下げに来たの」
「そうか」
秀吉さんはそう言うと、少し考え込んだ顔になった。
すると優鞠が慌てて言った。
「も、申し訳ありません。本来なら私の仕事を様に手伝わせてしまって……」
「……もう。私がやりたいって言ったんだからいいの」
「……そうですが……」
「ふ、優鞠。俺は別にお前に怒ってるわけではない。お前が人に仕事を押し付けるような奴じゃない事くらい知ってる」
秀吉さんはそう言うと、優鞠の頭を優しく撫でた。
優鞠は顔を真っ赤にさせて俯くしかなかった。
(ちゃらい……だからよく頭撫でるのかな……。にしても優鞠真っ赤。可愛いなぁ)
私がそんな事を考えていると、秀吉さんが私を見て言った。
「、お前に話……というか提案があってな。丁度部屋まで行こうと思ってたんだ」
「私に提案?何?」
「ああ、お前をこの城でどう過ごさせるか昨日信長様と話したんだ」
「……?」
「下膳ついでに歩きながら話すか」
そう言うと秀吉さんはゆっくり歩き始めたので私達も着いていく。