第14章 〜14〜
「俺さ、優鞠が安土城に来なくなって凄い心配してた」
「ごめんね……。いきなり戦が起ったから……家もばたばたして……文も出せる状況じゃなかったし……気づいた頃には……」
「……優鞠がつらい時、傍に居れなくてごめん」
「え?」
「俺はあの頃、ここで過ごす毎日が嫌で堪らなかった。家族とも離れて、周りには知らない人ばっかりで。毎日部屋で隠れて泣いてた。」
「そうだったの……」
「でも優鞠と会ってからは、一緒に遊べる日が待ち遠しかった。俺ばっかり助けられてて……何も優鞠にしてあげられなかったなって。」
「そんなことない。……私もだよ?」
「……え?」
「私も周りには友達なんて居なかったし、兄弟もいない。ずっと1人で家で過ごしてたから、ここに来るのが毎回本当に楽しみだったの。」
「……そっか」
「……うん。」
2人は気持ちを噛み締めながら見つめ合った。