第13章 〜13〜
「あちらに建っているのが、秀吉様の御殿ですよ」
「あれ?大きいね……」
「そうですか?」
(平屋の普通の家みたい……みんなあんな御殿に住んでるのか……安土城どんだけ敷地あるんだろ……)
「せっかくですし、御挨拶していきましょうか」
「うん。」
2人は秀吉の御殿へと足を踏み入れた。
「おお、よく来たな」
秀吉さんは笑いながらそういうと、私たちを中へ招き入れてくれた。
「で?どうしたんだ?俺に何か用か?」
「あ、いえ、三成くんに城内を案内してもらってて、近くまで来たから挨拶しに来たんです。」
「そうか。ちょうど茶を入れようと思ってたんだ。ゆっくりしていけ。」
「ありがとうございます」
「では、私はお茶を支度してきます」
三成くんは、そういうと奥へと入っていった。
「、安土城はどうだ?」
「すごい広くて、色んな部屋があってびっくりしました。」
「そうだろ。俺も初めてこの城に来た時は驚いた。こんな豪華絢爛な城はなかなか無いぞ?」
「そうなんですな?」
「ああ、それだけ信長様が力を持ってるという事だ。」
「へぇ……(やっぱりそうなんだ……)」
(天下統一間近の織田信長の城に住む。なんて、歴史ファンには堪らないんだろうな……)
わたしがそんな事を考えていると、秀喜さんは少しだけ真面目な雰囲気を纏いながら聞いてきた。